この記事では、不動産の経理はきついのか、実際に不動産業界で5年以上を経理として働いた私が解説します。
- 不動産の経理はきつい?
- 不動産業界の特徴は?
- 不動産の経理の特徴は?
- 不動産の経理がきつい理由と意外なメリット
- 不動産経理の年収相場と将来性
- 不動産経理に役立つ資格
- 不動産経理への転職がおすすめな人
この記事を書いた人

キャテル
【自己紹介】40代男性、経理一筋約20年【経歴】大学卒業→公務員試験に落ちる→社会の底辺→経理未経験から経理に就職→転職4回→年収1100万円達成【資格】簿記2級、税理士財務諸表論、宅建【ブログ】社会の底辺から経理転職4回で年収1100万達成した転職ノウハウ全て公開「キャテルの戦略」


前提:管理人の経歴

- 不動産業界5年以上経験の経理マン
- 保有資格①:簿記2級
- 保有資格②:税理士科目財務諸表論
- 保有資格③:宅建



結論:比較的おすすめ

- 不動産業界の特徴
- 不動産の会計処理の特徴
私は、不動産の経理がきついという感覚はありませんでした。
むしろ他の業界の経理として比較して、楽で給与水準が高いという印象です。
しかし、不動産業界の特徴に合わない人はいるとは思います。
それが、不動産の経理はきついと言われる理由かもしれません。
もう少し深堀りして解説します。
キャテル不動産業界の特徴を押さえるべし
不動産経理がきついと言われる理由
不動産経理が「きつい」と感じる理由は、業界特有の商習慣や繁忙期の波にあります。私自身の経験と、相談者の声をもとに、代表的な5つの理由を解説します。
決算期の残業が多い(月40時間超えも)
不動産会社の決算期は3月が多く、1月~3月は繁忙期になります。特に賃貸仲介や売買仲介を兼ねる会社では、年度末の契約ラッシュと決算業務が重なり、月40時間以上の残業になることも。私が勤めていた会社でも、3月は毎日21時過ぎまで仕事をしていました。ただし、繁忙期以外は比較的落ち着いており、年間を通してみると極端にきついわけではありません。
営業が経理に無茶ぶりをする
不動産業界は営業が主役の会社が多く、経理は「裏方」として軽く見られがちです。営業マンから「領収書をまとめて渡される」「経費精算のルールを守ってくれない」といったストレスは不動産経理あるあるです。体育会系の社風が残る会社もあり、経理部門の発言力が弱いと、業務改善が進まず非効率な作業が続くこともあります。
経理以外の雑務を押し付けられる
中小の不動産会社では、経理担当が総務・人事・広報まで兼任するケースが珍しくありません。電話対応、来客対応、契約書の製本、物件写真の管理など、経理とは無関係の仕事が降ってくることがあります。「経理の仕事に集中したいのに、雑務で時間が取られる」という声は、私が相談を受ける中でも非常に多いです。
IT化が遅く手作業が多い
不動産業界は他業界と比べてIT化が遅れている傾向があります。会計ソフトを導入していない会社や、Excelで手作業の管理をしている会社もまだあります。私が以前勤めていた不動産会社では、家賃の入金確認を通帳と手書きリストで照合しており、毎月かなりの時間を取られていました。クラウド会計ソフトを導入している会社を選ぶと、このストレスは大幅に軽減されます。
閉鎖的な環境で孤立しやすい
不動産会社の経理は「1人経理」のケースが多く、相談相手がいない孤立感を感じやすい環境です。判断に迷ったときや、会計処理で分からないことがあっても、社内に聴ける人がいないのは精神的にきついものです。特に決算期はプレッシャーも大きく、「この処理で合っているのか」と不安を抱えながら仕事をする方も少なくありません。対策としては、税理士や外部の経理コミュニティを活用するのがおすすめです。
不動産業界の特徴


- チャラい
- 体育会系
- IT化は遅い
チャラい
私が見てきた限り、不動産業界はいわゆるチャラい人が多いと思います。
特に新築マンションの営業はチャラいですね。
社内外を問わずに、女性に声をかえるような人はいると思います。
しかし、経理はまったく違う文化です。
他部署とのコミュニケーションで、チャラい人と関わることになります。



不動産と言えばチャラいだよね
体育会系
昔ながらの体育会系の体質はあると思います。
仕入れも販売も、タイプの差はあれど、体育会系の体質はありますね。
不動産はITなどと違って、大昔からある日本大陸という有限の世界でのパイの取り合いです。
つまり、土地に人と利権が絡み合っていて、人脈が重要なビジネスです。
その中では、体育会系のように人の指示に素直に従う、人から好かれる文化が根付くのだと思います。
もちろん、これもまた、経理は体育会系ではありません。



体育会系は一長一短がある
IT化は遅い
上記の通り、古いか新しいかで言えば古い体質の業界のため、IT化は遅いです。
考えようによっては不便です。
一方で、社員のITスキルは他の業界と比較して相対的に低いため、少しITスキルがあるだけで重宝される可能性はあります。



不動産とITって真逆だよね
宅建の取得は必須
法律上、不動産業を営むためには、一定数の宅地建物取引主任者が必要です。
そのため、不動産業界の社員は、宅建の取得が義務となっているケースが通常です。
宅建手当がある会社も少なくないです。



宅建手当の月25,000円はおいしかったなあ
不動産会社のビジネスタイプ


| ビジネス | 内容 |
|---|---|
| 売買 | 土地を購入してマンションを建築して売却 土地を購入してオフィスビルを建築して売却 オフィスビルを購入して転売 |
| 賃貸 | 賃貸マンションを保有して賃料収入を得る オフィスビルを保有して賃料収入を得る |
| 仲介 | オフィスビルの転売先を見つけて手数料収入を得る 賃貸マンションの入居を手伝って手数料収入を得る |
大きくは、これらの3つに分類されます。
大企業であれば全てのビジネスを手掛けていますし、いずれかのビジネスに特化している企業もあります。



給与水準が高いのは売買
不動産経理の会計処理の特徴


結論:不動産の会計処理は比較的容易
- 比較的容易
- どんぶり勘定な文化
管理人はこれまで複数の業界で働いてきましたが、不動産の会計処理は比較的容易な印象です。
また、取引金額が大きいため、いわゆるどんぶり勘定的な側面もあり、細かい数字にうるさい文化ではないと感じました。



細かいの嫌
不動産の会計処理の特徴
| カテゴリ | 内容 |
|---|---|
| 売買 | 売買目的の不動産は、固定資産の土地・建物ではなく、棚卸資産の仕掛販売用不動産(竣工前)・販売用不動産(竣工後)という勘定科目で計上します。 不動産そのものだけではなく、不随費用も棚卸資産で計算します。 |
| 賃貸 | 賃貸目的の不動産は、固定資産の土地・建物で計上し、耐用年数に応じて減価償却します。 礼金、敷金、更新料をBS、PLのいずれかで計上するかもポイントです。 |
| 仲介 | 棚卸資産、固定資産などBS科目はなく、売上をPLで計上します。 |
| 消費税 | 不動産の経理で最も特徴的です。 売上に土地が含まれるため非課税売上割合が高くなり、控除対象外消費税が発生します。 |
| その他税金 | 不動産取得税、固定資産税・都市計画税、償却資産税などが不動産に付随して発生します。 |
製造業などのいわゆる複雑な原価計算はありません。
マンションなどで、各部屋の面積で案分する程度です。
1取引当たりの金額が大きく、製造業よりも細かい集計は少ないと思います。



慣れれば簡単
銀行への提出資料が多い
不動産は、銀行からの借入で仕入れをするのが前提のビジネスモデルです。
そのため様々な銀行からの借入があるのが通常です。
財務制限条項といって、銀行からの借入に対しては様々んルールが存在します。
そのルールが遵守できているか確認のために、銀行には様々な資料の提出が義務付けられています。



銀行は厳しい
不動産の経理のメリット・デメリット


| メリット | デメリット |
|---|---|
| 給与水準が高い 会計処理は比較的容易 宅建手当が出る会社がある | 業界特有の雰囲気に合わない可能性 宅建を取得する必要の可能性 営業の給料と比較すると低めの給料 |
結局のところ、不動産業界の雰囲気に合うかどうかだと思います。
給与水準は他の業界より高い傾向にあり、給与面で不満が出る可能性は低いです。



不動産業界の雰囲気に合うかどうか
不動産経理の年収相場と将来性
不動産経理の年収は、未経験スタートで350〜400万円、経験3年以上で450〜550万円、マネージャークラスで600〜700万円が目安です。大手デベロッパーであれば700万円以上も十分に狙えます。
- 未経験(1〜2年目):年収350〜400万円|仕訳入力・請求書処理がメイン
- 一人前(3〜5年目):年収450〜550万円|月次決算・税務申告まで対応
- 管理職(5年以上):年収600〜700万円|部門管理・経営層への報告
不動産業界は景気の波を受けやすい一方、経理人材は常に不足しており、転職市場での需要は安定しています。特に不動産特有の会計処理(完成工事・進行基準など)の経験者は希少価値が高いため、年収交渉でも有利に働きます。
不動産経理の1日のスケジュール
不動産経理の仕事内容をより具体的にイメージできるよう、私が不動産会社に勤めていたときの典型的な1日の流れを紹介します。
9:00 出社・メールチェック・入金確認(家賃・管理費の入金済みデータを確認)
10:00 仲介手数料・工事代金の請求書作成・発行
11:00 仕訳入力・経費精算の確認(営業からの立替精算を処理)
12:00 昇休み
13:00 銀行対応(融資関連の資料準備・返済スケジュール確認)
14:00 固定資産台帳の更新・減価償却計算
15:00 支払業務(業者への振込処理・小口現金管理)
16:00 月次資料の作成・管理会計データの整理
17:00 翌日の準備・退社(繁忙期は19時~21時まで残業)
不動産経理は、残業の波はあるものの、業務内容自体はルーティンと専門性のバランスが良い仕事です。特に固定資産や融資の知識は、他業界でも強い武器になります。
不動産経理と他業種の経理の違い
不動産経理には、他業種の経理にはない独自の特徴があります。以下の表で比較してみましょう。
【不動産経理の特徴】
・固定資産(土地・建物)の取引が多く、減価償却や売却損益の計算が頻繁
・銀行融資が多く、返済スケジュール管理や金利計算の知識が必要
・家賃収入など定期的な売上計上があり、月次処理がパターン化しやすい
・不動産取得税・固定資産税など業界特有の税金がある
【一般的な事業会社の経理との違い】
製造業やIT企業の経理では、原価計算やソフトウェアの資産計上が中心ですが、不動産経理では「土地・建物」という大きな金額の固定資産を扱うため、1件あたりのインパクトが大きいのが特徴です。また、不動産業界では「ストックビジネス(販売用不動産)」と「フロービジネス(賃貸用不動産)」で会計処理が大きく異なる点も、他業界にはないポイントです。
このように、不動産経理は専門性が高い分、一度スキルを身につけると転職市場でも強いアドバンテージになります。不動産業界内での転職はもちろん、固定資産や融資の知識を活かして建設業や金融業などの経理にキャリアチェンジすることも可能です。
不動産経理の実務を学ぶなら、まずは経理の基礎知識を固めるのがおすすめです。経理の勉強に役立つ本については「経理におすすめの本15選」で詳しく解説しています。また、経理と営業の働き方の違いが気になる方は「経理と営業を徹底比較」も参考にしてください。転職を検討中の方は「ヒュープロの評判・口コミ」もあわせてご覧ください。
【体験談】不動産経理で働く相談者の声
筆者のもとには、不動産業界の経理に興味がある方や、実際に不動産経理として働いている方からの相談が寄せられています。リアルな声を紹介します。
決算期の忙しさは想像以上だったが乗り越えられた
ある相談者(20代女性・不動産管理会社の経理)は、入社前に「不動産の経理はきつい」という口コミを見て不安を感じていました。実際に3月の決算期は毎日2〜3時間の残業が続いたそうですが、「繁忙期以外は定時退社できる日がほとんど」とのこと。また、物件ごとの収支管理や減価償却の計算は独特だが、慣れれば面白いと感じるようになったと話してくれました。「きつい時期が明確なので、むしろメリハリがあって働きやすい」と前向きに捉えているそうです。
宅建を取得して社内での評価が上がった
別の相談者(30代男性・不動産デベロッパーの経理)は、筆者のすすめで宅地建物取引士(宅建)を取得しました。不動産業界では宅建保有者の設置義務があるため、経理部門でも宅建を持っているだけで重宝されるとのこと。「営業部門との会話で物件用語が通じるようになり、売上計上のタイミングや仲介手数料の処理について自信を持って判断できるようになった」と話してくれました。不動産経理を続けるなら、簿記に加えて宅建の取得は強くおすすめします。
不動産経理の経験を活かして年収アップ転職に成功
また、ある相談者(30代女性・元中小不動産会社の経理)は、不動産経理3年の経験を武器に大手不動産管理会社へ転職し、年収が80万円アップしました。不動産業界の経理経験者は業界内での転職ニーズが高く、物件管理や固定資産の会計処理の知識がそのまま評価されるとのことです。「最初の会社で不動産特有の会計処理を一通り経験しておいたことが、転職時の最大のアピールポイントになった」と振り返っています。
よくある質問


- 不動産の経理はきつい?
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一般的な経理と比べて特別にきつくはありません。不動産特有の会計処理(収益認識・減価償却など)を覚える必要はありますが、慣れれば対応できます。月末・決算期の忙しさは他業界と同程度です。不動産業界に興味があれば、経理としてキャリアを積む価値は十分あります。
- 不動産の経理は未経験でもなれる?
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なれます。ただし簿記2級の取得を強くおすすめします。不動産業界の経理は業界特有の知識が必要ですが、簿記の基礎があれば比較的早く業務を習得できます。未経験からの経理転職には経理特化のエージェント(Hupro等)を活用すると求人を見つけやすいです。
- 不動産経理の年収は?
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マイナビエージェントのデータでは、不動産業界の経理平均年収は約480〜550万円程度です。不動産業界は他業界と比べて給与水準がやや高めの傾向があります。デベロッパー・REIT運用会社などハイクラスな企業では700〜1,000万円超のポジションも存在します。
- 不動産の経理に向いている人は?
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①不動産や建物に興味がある、②数字・会計処理が好き、③安定した職場環境を求めている方に向いています。不動産業界は景気変動の影響を受けやすいですが、大手デベロッパー・管理会社の経理は比較的安定しています。


まとめ


- 不動産の経理は、他の業界と比較して会計処理が比較的容易で給与水準が高いため、管理人はおすすめ
- 不動産業界の特徴には、人によって合う合わないがある
不動産の経理は、業務内容の割には給与水準が高いです。
興味があれば、求人を確認してみましょう。




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