経理はおっちょこちょいでも大丈夫?|ミスが多い人でも活躍できる理由と対策を経理歴20年が解説

「おっちょこちょいな自分に経理が務まるのかな…」「ケアレスミスが多い性格で、数字を扱う仕事は向いていないのでは?」

経理=几帳面で完璧主義な人の仕事、というイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。

実は私自身、かなりのおっちょこちょいです。忘れ物は日常茶飯事、メールの誤送信も経験あり、上司に提出する資料の数字を間違えて冷や汗をかいたことも一度や二度ではありません。

それでも経理一筋約20年、転職4回を経て年収1,100万円を達成しました。むしろ「おっちょこちょいだからこそ身についた慎重さ」が、今の自分の武器になっていると感じています。

この記事では、おっちょこちょいな性格でも経理で十分活躍できる理由と、ミスを防ぐための具体的な対策を、私の20年の実体験ベースで解説します。

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この記事で分かること

  • おっちょこちょいでも経理で活躍できる5つの理由
  • 経理でミスが起きやすい場面と具体的な対策7選
  • おっちょこちょいな性格を「強み」に変える考え方
  • ミスを減らす仕組みづくりの実践テクニック
  • おっちょこちょいな人に向いている経理の働き方

そもそも「おっちょこちょい」とはどんな性格?

おっちょこちょいとは、注意力が散漫になりやすく、うっかりミスや思い込みによる失敗が多い性格のことです。具体的には、以下のような特徴があります。

  • 確認不足で数字の入力ミスをしてしまう
  • やるべきことを忘れてしまう(タスク漏れ)
  • メールの宛先を間違える
  • 書類の日付や金額を見間違える
  • 同時に複数のことを進めると混乱する
  • 思い込みで作業を進めてしまう

「あ、これ全部自分のことだ…」と思った方、安心してください。私もまったく同じです。そして、こういった性格の人が経理に向いていないかというと、実はそうとも限りません。

大切なのは、性格そのものを変えることではなく、ミスを防ぐ「仕組み」を持っているかどうかです。

おっちょこちょいな人が経理で不安になる3つの理由

まず、なぜおっちょこちょいな人が経理という仕事に不安を感じるのか、その理由を整理してみましょう。

理由①:経理=ミスが許されない仕事というイメージ

「1円でも合わないと帰れない」「決算書の数字を間違えたら大問題」——こうしたイメージが先行して、おっちょこちょいな自分には無理だと思い込んでしまうケースが多いです。

確かに経理は正確性が求められる仕事です。しかし、実際の現場では「ミスをゼロにする」のではなく、「ミスに気づける体制を作る」ことが重視されています。ダブルチェック、月次の照合、上長の承認フローなど、組織としてミスを防ぐ仕組みが整っているのが経理部門の特徴です。

理由②:数字に対する苦手意識

おっちょこちょいな人は「自分は数字に弱い」と思い込みがちですが、実際の経理業務で求められるのは高度な計算能力ではありません。足し算・引き算・掛け算・割り算ができれば十分ですし、計算はExcelや会計ソフトがやってくれます。

むしろ大切なのは「この数字はおかしくないか?」と気づけるセンスです。そして面白いことに、おっちょこちょいな人ほど「自分はミスするかもしれない」という危機感を持っているため、数字の異変に敏感になれる素質があるのです。

理由③:周囲の「几帳面な経理」のイメージとのギャップ

職場の先輩やSNSで見る経理パーソンが、いかにも几帳面で完璧主義な人ばかりだと、「自分は場違いなんじゃないか」と感じてしまうことがあります。

でも、20年間いろんな会社の経理部を見てきた経験から言えるのは、経理部にも実にさまざまなタイプの人がいるということです。大雑把な人、マイペースな人、おしゃべりな人。むしろ多様なタイプがいるからこそ、チームとしてバランスが取れているのです。

経理でミスが起きやすい場面5選【実体験あり】

おっちょこちょいな経理が特に注意すべき場面を、私の実体験も交えて紹介します。どれも「あるある」と感じるものばかりだと思います。

①仕訳入力のミス

経理の基本中の基本である仕訳入力は、ミスが起きやすいポイントの筆頭です。勘定科目の選択ミス、借方と貸方の逆入力、金額の桁間違いなど、パターンは多岐にわたります。

私が入社2年目の頃、100万円の仕訳を1,000万円で入力してしまい、月次決算の数字が大きくズレたことがありました。幸い、月次のチェックで上司が気づいてくれましたが、かなり焦った記憶があります。

対策:入力後に必ず「仕訳帳」を出力して目視チェックする習慣をつけましょう。特に金額の大きい仕訳は、元の請求書や契約書と突き合わせることが重要です。

②請求書の処理漏れ

届いた請求書をデスクに置いたまま忘れてしまう、メールで届いた請求書PDFを見落とす、といったミスは、おっちょこちょいな人に特に多い傾向があります。

支払い漏れは取引先との信頼関係に直結するため、経理にとっては重大なミスです。私も一度、請求書を書類の山に埋もれさせてしまい、支払い期日を過ぎてしまったことがあります。取引先に平謝りしたのは今でも忘れられません。

対策:請求書は届いた瞬間にスキャンしてデジタル管理し、支払い期日をカレンダーに登録するのがベストです。紙の請求書を「未処理」「処理済み」のトレイで物理的に分けるのも効果的です。

③メールの誤送信

経理はメールで機密性の高い情報(給与データ、銀行口座情報、決算数値など)を扱うことが多いため、メールの誤送信は深刻な問題になりかねません。

宛先の入力ミスや、添付ファイルの取り違えは、おっちょこちょいな人がやりがちなミスです。私の経験では、A社宛の請求書をB社に送ってしまったことがあります。すぐに気づいて削除を依頼しましたが、冷や汗ものでした。

対策:送信前に宛先・CC・添付ファイルを指差し確認する癖をつけましょう。Outlookなどの「送信取り消し」設定(1〜2分の遅延送信)も非常に有効です。機密情報を含むメールは、送信前に一度下書き保存して、時間をおいてから見直すのもおすすめです。

④月次・年次決算のスケジュール管理ミス

経理の繁忙期は決算に向けてタスクが山積みになります。おっちょこちょいな人は、複数のタスクを同時に抱えると優先順位が混乱し、期限を過ぎてしまうことがあります。

特に年次決算では、税務申告の期限、監査法人への資料提出期限、株主総会の準備など、絶対に遅れられないスケジュールが目白押しです。

対策:決算スケジュールは必ず一覧表にして、各タスクの期限を「見える化」しましょう。Excelでもホワイトボードでもいいので、チーム全員が進捗を共有できる状態にしておくことが大切です。

⑤Excelでの計算式ミス

Excelは経理の必須ツールですが、計算式のセル参照ミスや、行を挿入したときに計算範囲がズレるといったミスは日常的に起こります。

特に怖いのは、見た目上は正しそうに見えるけれど実は計算式が壊れているケースです。私も以前、SUM関数の範囲指定が1行分ズレていて、経費が100万円過少計上されていたことに3ヶ月間気づかなかったことがあります。

対策:Excelの重要な計算シートは、定期的に「数式の表示」モード(Ctrl+`)で確認しましょう。また、SUM関数の範囲は余裕を持たせて設定し、行の挿入・削除に影響されにくい構造にしておくのがコツです。

おっちょこちょいでも経理で活躍できる5つの理由

ここまでミスが起きやすい場面を紹介してきましたが、「やっぱり自分には無理かも…」と思わないでください。おっちょこちょいな人が経理で活躍できる理由は、しっかりあります。

理由①:経理はチームで仕事をする

経理は一人で全てを完結させる仕事ではありません。仕訳の入力担当、チェック担当、承認担当と役割が分かれていて、ダブルチェック・トリプルチェックの体制が組まれています。おっちょこちょいな人がミスをしても、チームの仕組みでカバーされるのが経理部の特徴です。

理由②:会計ソフトやシステムがミスを防いでくれる

現代の経理業務は、会計ソフト(freee、マネーフォワード、弥生会計など)やERPシステムが大部分をサポートしています。借方と貸方の不一致はシステムが自動でエラーを出してくれますし、仕訳のテンプレート機能を使えば勘定科目の選択ミスも減らせます。

つまり、おっちょこちょいな人でもシステムが「防波堤」になってくれる環境が整っているのです。

理由③:ミスした経験が「チェック力」に変わる

これは私自身が最も実感していることです。おっちょこちょいな人は、過去のミスの記憶が鮮明に残るため、「あの時と同じミスをしていないか?」と自然にチェックする習慣が身につきます。

几帳面でミスをほとんどしない人は、逆にチェックが甘くなることがあります。「自分はミスをする人間だ」という自覚こそが、最高のリスク管理能力なのです。

理由④:経理に求められるのは正確性だけではない

経理の仕事は仕訳入力や数字のチェックだけではありません。予算の分析、経営層への報告資料作成、他部門とのコミュニケーション、業務フローの改善など、多岐にわたります。

おっちょこちょいな人は、コミュニケーション能力が高かったり、発想が柔軟だったりすることが多いです。こうした能力は、特にキャリアが上がるにつれて重要度が増していきます。

理由⑤:「仕組み化」のスキルが身につく

おっちょこちょいな人は、自分のミスを減らすために自然と「仕組み化」を考えるようになります。チェックリストの作成、業務手順書のマニュアル化、リマインダーの設定など、自分のためにやっていたことが、結果的にチーム全体の業務改善につながるのです。

実際、私が過去に作成したチェックリストや業務マニュアルは、その後チーム全体の標準ツールとして使われるようになりました。おっちょこちょいだからこそ生まれた成果物です。

おっちょこちょいな経理がミスを減らす7つの実践テクニック

ここからは、私が20年間で培ってきたミスを防ぐための具体的なテクニックを紹介します。どれも今日から実践できるものばかりです。

①チェックリストを「必ず」使う

月次決算、年次決算、日常の支払い処理など、繰り返し行う業務はすべてチェックリスト化しましょう。頭の中で「覚えている」と思っていても、おっちょこちょいな人は必ず抜け漏れが出ます。リストを潰していく方式にすることで、タスク漏れを確実に防げます。

②「一晩寝かせる」ルールを設ける

重要な書類やメールは、作成直後に送らず、一晩寝かせてから翌朝見直す習慣をつけましょう。作成直後は自分の思い込みが強く、ミスに気づきにくい状態です。時間を置くことで、客観的な目でチェックできるようになります。

③デスク周りを整理整頓する

おっちょこちょいな人ほどデスクが散らかりがちですが、書類の紛失や処理漏れの原因の多くは「どこに置いたか分からない」ことです。「未処理」「処理中」「完了」のトレイを用意して、書類の流れを物理的に管理しましょう。

④リマインダーとカレンダーをフル活用する

支払い期日、申告期限、レポートの提出日など、重要な期限はすべてカレンダーに登録し、事前にリマインダーを設定しましょう。Googleカレンダーでもスマホのアラームでも構いません。「覚えておく」ことに頼らず、ツールに任せるのがポイントです。

⑤「指差し確認」を恥ずかしがらない

電車の運転士がやる指差し確認は、ミス防止に絶大な効果があることが科学的にも証明されています。送信ボタンを押す前に「宛先よし、添付よし、内容よし」と声に出す(または心の中で唱える)だけで、ケアレスミスは大幅に減ります。

⑥ミスの記録をつける

自分がやったミスを「ミスノート」に記録しましょう。日付、内容、原因、対策を簡単にメモしておくだけで十分です。同じミスを繰り返さないための最も効果的な方法であり、自分のミスの傾向(時間帯、業務内容、疲労度など)も見えてきます。

⑦「確認してもらう」ことを習慣化する

重要な処理の前には、必ず同僚や上司にダブルチェックを依頼しましょう。「自分はおっちょこちょいなので、確認をお願いします」と正直に伝えることは、恥ずかしいことではありません。むしろ、自分の弱点を理解して対策を取れる人は、周囲から信頼されます。

よくある質問

Q. おっちょこちょいでも経理に転職できますか?

はい、十分にできます。面接では「自分の弱点を理解し、対策を取れる人」が評価されます。「おっちょこちょいな性格なので、チェックリストを活用して二重確認を徹底しています」と伝えれば、むしろプラスの印象になります。実際、私も面接で自分の弱点と対策をセットで話すことで、4回の転職すべてで内定をもらいました。

Q. 経理でミスをしたらクビになりますか?

通常のミスでクビになることはまずありません。経理部門にはチェック体制が整っているため、一人のミスが致命的な問題になることは稀です。ただし、同じミスを何度も繰り返す、ミスを隠す、チェックを怠るといった行為は評価に影響します。大切なのは、ミスをしたときに正直に報告し、再発防止策を講じることです。

Q. ADHDの傾向がありますが経理はできますか?

ADHDの傾向がある方でも経理で活躍している人はたくさんいます。ADHDの特性である「過集中」は、決算期の集中的な作業でむしろ強みになることもあります。この記事で紹介したチェックリストやリマインダーの活用は、ADHD傾向のある方にも特に効果的な対策です。不安が大きい場合は、専門家に相談して自分に合った対処法を見つけるのもおすすめです。

Q. 経理で「向いている性格」はありますか?

一般的には几帳面・慎重・コツコツ型が経理に向いていると言われますが、実際にはどんな性格でもやり方次第で活躍できます。おっちょこちょいな人は仕組み化が得意、社交的な人は他部門との連携が得意、大雑把な人は全体像を把握するのが得意、というように、それぞれの強みを活かせるのが経理の幅広さです。

まとめ:おっちょこちょいでも経理はできる。大事なのは「仕組み」

おっちょこちょいな性格だからといって、経理に向いていないわけではありません。

経理の仕事で本当に大切なのは、完璧な性格ではなく、ミスを防ぐ仕組みを作り、ミスに気づける体制を整えることです。

そして、おっちょこちょいだからこそ身につく「危機感からくるチェック習慣」「仕組み化のスキル」「周囲への確認を厭わない姿勢」は、経理パーソンとしての大きな強みになります。

私自身、20年間おっちょこちょいなまま経理を続けてきましたが、年収1,100万円まで到達できました。性格を変える必要はありません。仕組みで補えばいいのです。

もし今の職場でミスが多くて悩んでいるなら、環境を変えることで改善するケースもあります。チェック体制が整った会社、マニュアルが充実した会社など、おっちょこちょいな人が働きやすい経理部門は確実に存在します。

経理専門の転職エージェントに相談すれば、自分に合った職場環境を見つけやすくなります。以下の記事も参考にしてみてください。

経理の転職エージェント、特化型と総合型はどう使い分ける?

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